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「そんならさ、本当に嫌なら、相手に嫌われるのもテだと思うんだわ。例え『この程度だったんだ』って幻滅されたって、離れてくれるなら目的達成だろ?」
そう言われるとそうだ。
“幻滅される”“嫌われる”ことで、嫌な相手とオサラバできるかもしれないんだ。
本当に嫌なら手段を選ばずだ。
「“髪がまとまらない”なんて、自分の見映えを気にする相手ってことだろ?あの女、裕典のこと嫌いじゃなくなってる。それどころか、裕典に良い感情を少しは持ってるな」
陽向の解説に『なるほどなあ』と頷く。
「陽向って恋愛偏差値低いくせに、よくわかってるなあ」
「低くしてる張本人が言うってなよ!裕典すら猿レベルなくらい差をつけられたのに、一途に初恋を追ってる可哀想な男に成り下がっちまって…」
「一途に初恋を追ってることは凄いと思うぞ!いや、マジでさ…相手が誰であれ尊敬する」
「尊敬なんていらねえから、成就できるよう協力しろよな」
口を少し尖らせ、目を細め見下ろすように俺を見てから手を払うように振った。
「やっぱ協力はいいわ。実力で成就させるから」
その自信、どっからくるんだよ?
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