○今日からエロース?③○

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俺がそう言うと、少し頬を赤くして嬉しそうに『やだ、天道くん。そっか、ナチュラルメイクねぇ』と髪に指を絡めている。 「たぶん、裕典のヤツ惚れ直すかと…」 全部を言う前に『もうっ!』って背中を叩かれた。 「なんで私が惚れ直されなきゃならないのよ」 怒ってるようだけど、さっきより真っ赤な顔だ。 「私はアイツなんかの好みを狙ってるわけじゃないの!アイツにレベルを下げて見られることが嫌なの!」 「は…はい…」 なんとか返事はしたものの、衝撃でアバラが砕けるかと思った。 忘れていた、武内さんて強かったんだ。 「まったく、アイツが余計なことを言い出すから、ロクなことないわ」 (いや…ロクなことないのは俺の方だって…) ため息を吐く武内さんの横で、俺は静かに悶絶中だ。 「夕方会うの?」 「たぶんね、また連絡してくるんじゃない?」 「見た目同様、悪いヤツじゃないから」 「私の中では初対面の印象最悪だけどね。そのへんは会うたびにわかってる」 それでもいまだにこんな感じだから、裕典の最初の印象最悪だったんだな。
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