○今日から善戦○

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夜――― 俺が帰宅すると、裕典が裕太郎を連れ、本当に肉を持ってやって来ていた。 「マジで来たのかよ?」 「いいじゃあ~りませんか♪さささっ、お手々洗ってうがいしてちょうだいよ」 陽気な裕典は、不機嫌で複雑な顔の裕太郎に『さっさと準備を手伝え』と大袈裟に命じる。 「裕太郎はスペシャルゲストなんだからいいよ。裕典が勝手にやってるんだから、裕典がしろ」 陽向はえらそうな裕典が気に入らないのか、荒っぽく器や箸などを出すと、『ハル、準備できたら呼んで』と二人で二階へと行ってしまった。 「ま~た、ウザがられることしたのか?」 「俺っちは~、幸せな気持ちをみんなで分かち合おうとだなあ…」 裕典には、幸せになってもらいたい気持ちは十分あるから、今回の前進は喜ばしいっちゃあ喜ばしい。 それは陽向だって願っていることではあるから、嬉しい気持ちがなくもない。 しかし根本的に、陽向は武内さんをよく思ってない訳で…… そんな陽向の気持ちや裏事情がわかってるが故に、裕太郎もうまくいけばうまくいったでやっぱり気に入らないとこがあるってとこか?
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