○今日から善戦○

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「けっこう、棘の道っぽいのな」 「まあね。あの二人の気持ちも多少はわかるわけよ、多少は。でもさ、しゃ~ないでしょう?俺っちはユッコちゃんが好きですからね」 パチンとウインクして肉を焼き始める。 「それに今朝は陽向の邪魔しちゃったからねぇ。俺っちに当たりが…」 「ぶっ……」 吹き出す俺をチラリと見る。 「なあハル。Hしないとしても、時々抜いてやらねえのか?」 「しねえよ!」 「たまにはちょいと抜いてやれよ。気持ちいいことしてやらねえから溜まってんだよ。アノ日の不機嫌女子真っ青の低血圧。悪玉金になっちまうぞ」 『カカカカッ』と高らかに笑い、『そろそろ呼んでやって』と俺を見る。 「いつもは、もうちょいテンション高いんだ…」 「それは陽向のフォロー?」 首を傾げる俺を笑う。 「陽向のいいとこはわかってますって。必死になってフォローしようなんてまあ、ハルさんも可愛いことを」 「は…はあ?」 目が三日月を寝かせたようになっている。 この顔は何を言ったって無駄だ。 「陽向には内緒にしといてやるよ」 「勝手に言ってろ!」
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