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「はあぁぁ~…」
仏壇の前に座り頭をがっくりと項垂れた。
「姉ちゃん…義兄さん…俺ってやっぱ…実際のとこ、陽向に頼りにされてねえのかなあ…」
みんな(特に陽向)に聞かれるとまずいから、ぼそぼそと小声で二人の写真に話しかける。
「俺達の1対1の関係は、絶対悪くはないと思うんだよ。陽向には申し訳ないけど、今の距離感もさ。それは俺と陽向との関係であるけど……保護者的な立場とかそっちの方が…」
二人は何年も変わらない笑顔を俺に向けたままだ。
「俺……我慢して聞かなかったけど、やっぱ陽向から言ってくれないままだった…陽向からキチッと言ってくれること……待ってたんだけどな」
姉ちゃんは眉をハの字にして『だよね~』って苦笑いしてそうだ。
義兄さんは目を潤ませて『ごめんよ~』なんて情けない声出してそう。
「だけどさ、どう言ったって…陽向は俺の大切な大切な家族…」
『以上かな?』ってため息混じりて吐き出すと、姉ちゃんが『ハルっ』って呼んだ気がした。
「大丈夫だよ。曲がりなりにも、俺は陽向の保護者だから。陽向が認めなくったって、俺がそれを譲らないから。姉ちゃんや義兄さんには及ばないけど、しっかりと話を聞く」
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