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陽向は目を閉じ開けると裕太郎を見た。
裕太郎は優しい目で頷く。
俺の方を向いて座り直し、陽向は言った。
「俺は……法に携わる仕事をしたい」
「ほ…法に?法律関係ってことか?」
陽向はコクリと頷く。
「えっと……弁護士とかそう言う仕事か?」
「ゆくゆくは…二十年後くらいにはそうしたい。けど、今はたくさんのことを学びたい」
俺が想像していたより、スゴいのがキタ。
なんとなく、陽向はリーマンぽくないとは思っていたけど…。
「俺は悪くはないと思うけど、なんでその道を選びたくなったんだ?」
「そ…それは……裕太郎が高校を出てすぐに警察官にはならずに、大学に進んでしっかり学んで国家公務員Ⅰ種試験を受けるって」
「裕太郎はわかったけど、今聞きたいのは陽向はなんで…」
首を傾げる俺を見て、裕太郎がクスリと笑う。
「もう、陽向は恥ずかしがって言わない。ハルちゃん、覚えてない?それはハルちゃんが言ったんだよ」
「俺が?」
「そう。俺と陽向が子どもの時にね」
陽向がバツが悪いのか裕太郎を止めようとするが、裕太郎は『いいだろ♪』と笑っている。
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