○今日から善戦○

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姉ちゃん達が生きてた、陽向がまだ子どもの頃――― 「あ、ハルちゃんと兄ちゃんだ」 帰り道、小学校から帰ってきた裕太郎と陽向と、俺と裕典がたまたまいっしょになった。 「……喧嘩してきたの?」 口の横を切っている裕典を見て、裕太郎は心配そうに見上げて言った。 「喧嘩じゃねえよ。『俺の彼女をとった』とか訳わかんねえ男のファンがハルを熱烈に取り囲んでだな」 裕典の説明に、裕太郎は驚いた顔で俺を見るが、陽向は呆れたようにタメ息を吐く。 「それならハルが原因?」 陽向が鋭い視線を俺にぶつけた。 「俺?違うって、俺は無実なの。裕典が付き合った…いや、ちょ~っと一瞬一緒に遊んだ女の子に俺の名前を言ったの!そしたら俺が狙われたんだ」 陽向のさらに鋭い視線が裕典にぶつかる。 「なんで自分の名前を言わないで、ハルの名前を勝手に使うんだ!」 「いやあ、大人の事情だわ。個人情報に関することだから…」 「ハルが変なやつに襲われたらどうすんだ!」 陽向が怒って裕典の足を踏んだ。
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