6575人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
「いちぃー!!いってえー!何すんだ!」
「ハルが知らない変なやつに襲われるかもしれないだろ」
「んな相手、返り討ちにすりゃいいだろ、なあハル?」
裕典は無責任で楽観的な返しをして俺に同意を求める。
「そう言う他人の名前を使って悪いことをする人間は、警察に捕まるんだからな!」
「俺は何も悪いことしてねえもん。捕まるわけねえだろ、バーカ」
舌を出して大人気ない裕典に、陽向は顔を赤くして怒っている。
「もし俺が警察官になったら、最初に逮捕するのは裕典兄ちゃんかも…」
「裕太郎っ!家族を売る気か!?」
裕典は何を焦っているのか、裕太郎の肩を激しく揺する。
「ハルだってわかんないよ。普段の行いがいいとは言えないから。逮捕されるのだって時間の問題だよ」
「おまえの中の俺のイメージ悪過ぎじゃねえか?」
「ふんっ!父さんや母さんを泣かせたら俺が許さないからな!」
「俺がそんなことするかよ…」
俺がそう言ったって、『どうだか…』と信用しない。
「じゃあ、陽向が大人になってもしっかり見張ってやれよ」
裕典がまた余計なことを言った。
最初のコメントを投稿しよう!