6575人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
「陽向がえら~い人になって…あ、弁護士とかいいんでない?やることなすこと一つずつ、それは逮捕される・されないって」
「弁護士?あの裁判なんかで犯人についてる?」
「俺は捕まるような真似はしないって!まったく、子ども相手に何を言ってんだよ…」
呆れている俺に『いいじゃん、いいじゃん♪』と裕典は軽い。
「でも陽向は頭がいいからなれるかもな。弁護士でも検事でも、裁判官でも。司法試験だっけ?スゲー難しい試験だって聞くけど、陽向なら受かるかもよ」
「俺が?」
「ああ。義兄さんや姉ちゃんも喜ぶだろうな。俺だって自慢できる!『スッゲーだろ?』って鼻が高い」
腰に手をあて反り返ってそう言うと、陽向は少し顔を赤らめ『そ…かな…』と照れている。
「天道家始まって以来の頭の良さだろうから、夢はでっかくだ!」
「考えとく…」
モジモジしている陽向が可愛かったせいか、裕典がまた『じゃあ、俺が捕まっても安心だ』と余計なことを言う。
「その時は、俺が逮捕して、家から一番遠い刑務所にたっぷり入れてもらっとく。陽向に面倒かけられない」
裕典が大袈裟にショックを受けてるから、陽向が吹き出して大笑いした―――
最初のコメントを投稿しよう!