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「陽向、働いて何年後かに自分で進学するって…」
「裕太郎っ!」
陽向が慌てて裕太郎の肩を押さえつけようとしたが、裕太郎は微動だにせずに続ける。
「やっぱりこれ以上、ハルちゃんに甘えられないって…」
「言うなっ!!」
陽向は体重をかけ裕太郎を押し倒した。
「きちんと話をすればいいだろ!何も話さないままじゃ…」
「話す必要ねえ!!俺が自分で決める!」
「バカかっ!!」
裕太郎が叫び、陽向の腹を蹴り上げた。
飛ばされた陽向はふわりと体を浮かせ、そのまま胡座をかく俺の上に落ちてきてた。
俺は逃げ損ねて下敷きになってしまったんだが…。
「ハルちゃんゴメン」
裕太郎が慌てて飛び起き、陽向の手を引いて立たせた。
「ハル、大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫…おまえらみたいなゴツイ二人が、こんな狭いところで暴れるなよな」
潰れたカエルのようになっている俺は、両手を伸ばし二人に引き起こしてもらった。
「裕太郎、陽向の希望する大学って知ってるのか?」
「知ってる」
「言うな!!」
『ちょっと黙れ』と興奮している陽向を宥める。
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