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「あいつが時と場合なんて考えてないようで、本当は意識して変わらずいてくれるから、俺も陽向もやってこれたとこあるから」
「兄貴は時も場合も、全く何も意識してないから!変わらないだけだからね!!」
ムキになった裕太郎は『ごめん、続けて』と俺と陽向を促す。
「裕太郎、でもな……裕典間違ってねえよ。陽向がいなかったら、俺はダメな人間になってた。陽向がいてくれたから……今までもこれからも、存在してくれていることが、俺の支えだ」
俺は通帳を陽向の前に押した。
「叶うか叶わないかは、やってみなきゃわかんねえだろ?姉ちゃんだってきっとこう言う。『やりたいなら、やってみなさい!その為に私ができる応援はなんだってする。あなたは、私の最愛にして最高の息子なんだからね』ってな」
「ハル…」
「きっとどの経験も、陽向にとって財産みたいなもんになるはずだ。俺は幸いオツムが裕典よりちぃーとよかったけど、良い方ではなかったから。勉強したいなんて、考えたことなかったしな」
笑う俺に陽向はまだ迷いの目を向ける。
「ウジウジ迷ってる陽向はらしくねえの。惚れるもんも惚れられねえな」
「「えっ…」」
陽向と裕太郎が目を皿のようにしている。
(あれ?変なこと言った?)
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