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陽向は俺の前に正座し手をついた。
「俺が目標を目指せるよう、力を貸して欲しい……いや、貸して下さい」
「俺はいつだって陽向の味方だ。陽向が助けを求めてくれたら、俺はどんな手を使ってでも助けたい」
「ありがとう……ハル」
陽向は微笑むと仏壇に向かって座り直し手を合わせた。
「母さん。母さんがハルに最後に遺したお金……ハルに甘えて借りちゃっていいかな?俺の目標のために、今は必要なんだ。父さん、母さんにちゃんとお礼言っといてよ」
「陽向のお母さん、お願いします」
裕太郎も陽向の隣に座り手を合わせた。
「おチビちゃん達、立派に育って……お兄さん嬉しいわ」
裕典が感動したのか、大袈裟なポーズで自分の胸を包み込むように抱き締める。
そんな裕典を陽向は振り返らずに言った。
「おい、裕典。さっきの動画、今すぐ俺に送れ」
「なんで?」
「なんでもっ!」
陽向は『ウシシシッ』と笑う裕典に、照れ臭そうに俺を見た。
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