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「は?なにそれ?俺だって時には後悔することもあるって」
陽向はクスッと硬かった表情を和らげた。
「俺の中では、男として憧れる要素がいっぱいあんだよ。プレッシャー与えるワケじゃねえけどな。陽向はすげえって何度も思ってきた。勉強だってスポーツだってな。あとな……」
グイッと陽向を引き寄せ唇を重ねる。
「『キスくらいならいくらでもしてやっか』って気になる男は陽向だけだな」
「いきなりするなよ!」
真っ赤な顔で口をモゴモゴさせている様子を見ると、やぁーっと陰気な陽向から可愛い陽向に戻ったかな。
「じゃあキス以上は?」
「う~ん……また難しいこと聞くなあ」
「そのうち『キス以上だっていくらでもしてやっか』って気にさせてやる」
またどこからその自信は湧いてくるんだ?
でも、このセリフの後に見せた自信に満ちた目は、また俺をゾクリとさせる。
「まあ頑張れよ」
「くっそー!またこの余裕だよ。大人ぶってムカツク」
拗ねた顔の陽向を笑い、中へと入った。
“余裕”?
正直、最近余裕がなくなってきた気がするんだけどね。
言わないけど。
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