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この夜から、陽向が受験生モードになった!
って、俺が思ってるだけで、実は陽向は早くからスタートしてたわけでして……。
「今頃から必死こいてとか、この俺が裕典じゃあるまいし、無計画なワケねえだろ?」
そう言われてもさ……。
「夜食いらね?なんなら栄養ドリンクとか?苦いコーヒーの方がいいか?必要なものがあったらメモして……だあ、メモ用紙はどこだぁぁ!」
俺一人、陽向の部屋の入り口で今になって大騒ぎしちゃっている。
「ハル、落ち着けよ……ハルがテンパってどうすんだよ?」
「いや、受験生を支える家族のあり方を模索してだな。ってか、俺は何をすればいいんだよっ!?部屋の隅で体育座りでもしてたらいいのか?じいやさんみたいに気をつけで立ってたらいいのか?」
高校入試を控えた頃ってどうだったっけ?
だって先生が『体調さえ万全なら陽向くんは大丈夫です』って言ってくれたから、俺は何もしなかった気がする。
だから受験生を持つ家族の理想的なスタイルがわからねぇぇ!!
ダメじゃん、俺っ!
「ヤバい……俺はすでに緊張して呼吸すら忘れそうだ。あと……半年くらいか?俺、気力がもたねえ……」
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