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ダメだ、俺はこの調子じゃ、半年もたねえぞ……。
「毎日、思い出しては酸素を吸わなきゃ。半年後には干からびたミイラみたいになってるかもしれん」
よたよたと壁際へ倒れこむように進み、額をゴチリと壁にぶつけ体を支える。
「ぶっ…あはははは……なんでハルがそんな緊張するんだよ」
「俺は意外かもしれないけど、超真面目な話には弱いんだ。大学受験だってしてねえし、細かいことがわかんねえんだよぉ……」
部屋の隅っこで負のオーラ全開で暗くなっている俺を、陽向は背後から腕の中に入れるように壁に手をついた。
「じゃあ、いつものハルでいろよ。それでいい」
「それじゃあ、俺はお前が目標に向かって頑張ってるのに、何の支えにもなれないってことか?」
チキショー……
俺ってば、肝心なとこじゃ間に合わねえんじゃねえか。
「大好きなハルのままでいてくれる方が、俺は励みになんだよ。今みたいに面白いハルにも癒されるけどな」
「面白いって……俺は真剣に悩んでるんだぞ?陽向の足を引っ張ってみろ!姉ちゃん達に会わせる顔がねえよ」
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