○今日から善戦○

27/95

6575人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
ダメだ、俺はこの調子じゃ、半年もたねえぞ……。 「毎日、思い出しては酸素を吸わなきゃ。半年後には干からびたミイラみたいになってるかもしれん」 よたよたと壁際へ倒れこむように進み、額をゴチリと壁にぶつけ体を支える。 「ぶっ…あはははは……なんでハルがそんな緊張するんだよ」 「俺は意外かもしれないけど、超真面目な話には弱いんだ。大学受験だってしてねえし、細かいことがわかんねえんだよぉ……」 部屋の隅っこで負のオーラ全開で暗くなっている俺を、陽向は背後から腕の中に入れるように壁に手をついた。 「じゃあ、いつものハルでいろよ。それでいい」 「それじゃあ、俺はお前が目標に向かって頑張ってるのに、何の支えにもなれないってことか?」 チキショー…… 俺ってば、肝心なとこじゃ間に合わねえんじゃねえか。 「大好きなハルのままでいてくれる方が、俺は励みになんだよ。今みたいに面白いハルにも癒されるけどな」 「面白いって……俺は真剣に悩んでるんだぞ?陽向の足を引っ張ってみろ!姉ちゃん達に会わせる顔がねえよ」
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6575人が本棚に入れています
本棚に追加