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“ゴンッ”と音をたてて壁に頭突きをかます俺の額と壁の間に、陽向はするりと手を入れる。
「ハルの存在そのものが癒しになってる。だからハルが自分を追い込まなくていいから」
「だけど……」
「夜食は嬉しいけど、今は部活もないだろ?油断してっとすぐにカロリーオーバーで、みっともねえくらい腹が出そうなの。だから毎晩苦いより美味しいコーヒーがいい」
「本当にそれだけで?」
俺は陽向を振り返った。
「ああ。なんなら、もっとサービスしてくれる?ハルが毎晩マッパで、裸踊りを披露してくれるとか」
「それって、俺がするとかありえねえだろ?」
呆れている俺の額にソッと口づけをする。
「ならキス以上のもっと濃厚な営みを餌にするとか?」
「……俺はそんな安っぽくねえの」
『ほあたっ!』と陽向の額を指で突く。
「毎晩、美味いコーヒーだな。目が覚めるように、唐辛子仕立てにしてやるよ」
「うわ~……お優しいことで」
額を押さえながら陽向は肩を竦める。
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