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「そう言う邪な邪念を取り除き、ひたすら勉学に集中して励めるよう、俺がブチッとオイタができねえように握り潰してやろう。強烈に痛いのは、たぶんしばらくの間だけだ」
「けっ……結構だ!使わないうちから潰されてたまるか」
陽向は両手を俺に伸ばし後退りすると、椅子に座りくるりと回って机に向かった。
「そうそう、三者懇談の日と時間もちゃんとメモに書いて教えてくれよ。先生と話もしたいしな」
「はいはい、了解」
陽向は机を向いたまま左手をヒラヒラと振る。
「くひひひひっ……いつか、使えるといいな」
「ムカつくっ!ふんっ、ハル次第だろ」
「さあて、コーヒー…コーヒー…」
俺は振り返った陽向に絡まれないうちに、逃げるように部屋を出た。
「『いつか、使えると……』もなにも、陽向は常日頃から俺に使う気満々なんだから……俺も煽ってどうするよ?」
『やれやれ……』と自分の馬鹿さ加減に『馬鹿だなあ』と思いながら階段を降りる。
「アイツが使える日が……“来る”のか?」
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