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そんなこんなで三者懇談を迎え、俺は陽向の学校へ久しぶりに行った。
こうしてあと何回来るんだろう?
そう思ったら、なんだか寂しい気持ちにもなる。
ほとんど学校内に生徒はいないが、陽向を見た女子生徒達は、どの娘も眩しい顔をしている。
『モテますなあ♪』と小声で茶化しても、『興味ない』って……
つれない男だねえ。
陽向の番まで廊下の椅子で待っていると、やっぱり視線を感じる。
「なんか……陽向ってやたら見られてたんだな」
「今日はハルもいるからだろ?」
「『素敵なお兄さんね』『かっこいい』って?」
格好つけて組み替えた俺の足を、軽く蹴る。
「もっと小汚なくしてくりゃ良かったのに。無駄に見た目がちょっとはいいから、じろじろ見られるんだ」
「無茶苦茶だな」
「俺はあんまり……ハルを見せたくないの」
つまんねえことで不機嫌顔になって口を尖らせてるから、危うく吹き出しそうになった。
「なあ、俺は陽向がこの間言った道に進むと思ってる。それでいいんだよな?」
「ああ……変わらねえよ」
「なら、先生に聞かれても大丈夫だ」
ホッとした途端、前の親子が出てきた。
次はいよいよ陽向だ。
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