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すると、あれだけ陽向を見ていた女生徒達は、一斉に赤い顔をして下を向いた。
その様子を見た陽向は、また無理に真面目な顔を作る。
「俺の今まで築いてきたイメージが崩れたかも……」
「心配するの、そこかよ?みんな新鮮なんじゃね?可愛いからよぉ」
俺がそう言って笑うと、陽向は掴んだままの俺の腕を引っ張り早足で歩き始めた。
「ここにいたら、俺のイメージが崩れまくりだ」
「は?そう思うなら離せよ」
俺が半分引きずられながら後ろから言ってるのに、ズンズンと歩を進める。
そのまま勢いよく校舎の隅にあるトイレへと入り、個室へ俺を押し込み鍵を閉めた。
「おいっ!!」
「ちょっと黙れ……」
陽向は俺の顎を上げ唇を重ねる。
「んっ……おま…学校だぞ!誰か来たら……」
「大丈夫。聞かれたら『兄が気分が悪くなってゲロってました』って言うから……」
呆れている俺に深く深く絡めとるようなキスをする。
学校で誰かとキスするなんて何年ぶりだろ?
それにしても、いけないことをヤっちゃった感がハンパねえよ。
心臓に悪いわ。
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