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「おまえが一番しちゃいけないことってわかるか?」
そんな陽向を見て、俺は人差し指を一本たてて聞いた。
「……落ちない……失敗しない」
「ブッブー!!はずれ~」
俺は胸の前で、自分の腕を交差させる。
「風邪を引かない?」
「それもあるけど、ブッブー!」
今度は指で小さな×を作る。
「は?忘れ物をしない?」
「あー!それもあるけど、違うな」
「イライラさせるなあ~!いったいなんだよ?」
さすがに陽向もウザそうだ。
「正解は………“後悔しない”」
ビシーッ!と指突き出した。
「後悔しないだ。陽向だけじゃなく、俺も後悔しない!陽向のサポートはできる限りするって決めたんだ」
「そりゃ、俺は嬉しいけど……」
「我が家の電気代が多少上がろうとも、んなもん気にするな。無駄遣いとは違うんだから」
それでも陽向は甘えきれないって顔だ。
「気に入らねえなら、大学に行って可能だったらバイトしろ。そっから少し生活費にくれるってので、どうよ?」
「それは思ってたことだから……」
「なら決まり!明日からウチで勉強しろよ。裕太郎に連絡しとけ」
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