○今日から善戦○

39/95

6574人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
次の日――― 「ん……んん……」 「ハル、マジで起きないと遅れるぞ」 それを聞きパッと目が覚めた。 今朝もやっぱり、唇がズクズクだよ。 「おはよう、ハル」 腹の上で陽向が笑っている。 昨夜は結局、陽向は俺の提案に答えを出さないままだったが…… 「おはよう……あのさ…」 「俺さ、今日から家で裕太郎と勉強することにした」 俺が聞くより早く陽向が答えた。 「母さんが『ストレスは良くないから、今はハルに甘えなさい』って言ってくれた気がしたんだ」 「そうか♪」 喜ぶ俺に、陽向はコクリと頷く。 「それに、裕太郎が俺の分の弁当を持ってきてくれるってことで、遠慮しないで来てもらえるよう話がついた」 「おいおい、おばさんに気を使わせちゃったんじゃね?」 「裕太郎も家で色々話してたらしいから、おばさん喜んでくれてるって。おじさんのも作ってるし、一緒にって言ってくれたんだ」 『一緒に』だろうけど、二個も増えちゃ大変だろ。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6574人が本棚に入れています
本棚に追加