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次の日―――
「ん……んん……」
「ハル、マジで起きないと遅れるぞ」
それを聞きパッと目が覚めた。
今朝もやっぱり、唇がズクズクだよ。
「おはよう、ハル」
腹の上で陽向が笑っている。
昨夜は結局、陽向は俺の提案に答えを出さないままだったが……
「おはよう……あのさ…」
「俺さ、今日から家で裕太郎と勉強することにした」
俺が聞くより早く陽向が答えた。
「母さんが『ストレスは良くないから、今はハルに甘えなさい』って言ってくれた気がしたんだ」
「そうか♪」
喜ぶ俺に、陽向はコクリと頷く。
「それに、裕太郎が俺の分の弁当を持ってきてくれるってことで、遠慮しないで来てもらえるよう話がついた」
「おいおい、おばさんに気を使わせちゃったんじゃね?」
「裕太郎も家で色々話してたらしいから、おばさん喜んでくれてるって。おじさんのも作ってるし、一緒にって言ってくれたんだ」
『一緒に』だろうけど、二個も増えちゃ大変だろ。
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