○今日から善戦○

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なんとも言えないでいる俺に、陽向は『一緒だってさ』と照れ臭そうに微笑んだ。 「俺も裕太郎も、この夏が勝負だろ。おばさんは昨日までよりずっといい環境になるなら、願ったりだって……ハルと一緒だってさ」 「俺と?」 「応援してくれてる」 ゆるむ口元を引き締め、無理に表情を作ろうとしているから、俺の方が可笑しくて笑いそうになるのを堪えるのが大変だ。 「けど、俺もおばさんも応援しかできない。最後は自分達でどうにかしないとな」 「わかってる……後悔しないようにな」 陽向が身を屈め…… 俺に頬を擦り寄せた。 「ありがと……ハル…」 「え?」 「いつも……ありがとう。実の兄弟でも甥っ子でもないのに、ハルはきっと誰よりも俺のことを考え、思ってくれてる」 頬から伝わる体温が熱い。 「裕太郎にそう言われた。たまにはきちんと礼を言っとけよって」 「ならまず座って、顔を見てきちっとだな……」 「それができたら……苦労するか!だいたい、こんな恥ずかしいことを言うこと自体がキツいのに」 陽向はそれだけ言うと、俺の目を手で塞ぎ、『こっち見るな!』と部屋から出ていった。 何年経っても、素直じゃなくて可愛いのな。
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