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「とにかく、冷やさないと……」
陽向と裕太郎は立てない俺を左右から抱え、家の中へと運び込んでくれた。
俺はなんとか上がっちまったのを下ろすことができ、ズボンを脱がせてもらって下着越しに氷で冷やしている。
情けないけど……
「こんばんは~」
なのに、こんな時に限って一番会いたくない裕典が、呑気に裕太郎を迎えにきたりするから。
逃げようのない俺の姿を見て驚き、こうなった理由を聞いたら……
「ぶわっはははは……ダッセー……」
こいつはこう言うヤツだよな……
俺は痛い目をしてまで、裕典にしこたま笑い転げられる屈辱を味あわされた。
当然、怒った裕太郎がミドルキックで脇腹を攻撃し、陽向が『出ていけー!!』と部屋から追い出す。
「で、どうなのよ?隠し子っぽいの?」
なのに、そんなことで懲りない裕典は、我が家の間取りを熟知しているだけあって、別ルートでまたやって来た。
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