○今日から善戦○

45/95

6571人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
「ハルちゃんの?全然似てなかったけど?」 「ハルの隠し子のワケねえだろ!ハルより裕典の方が怪しいんじゃねえか?」 それを聞き『確かにそれは否定できない……』と裕太郎は青ざめる。 「俺は避妊してましたぁぁ~ぁ」 「ハルだってちゃんとしてたって言ってたぞ!ハルの子じゃねえ!!」 裕典の目には、ムキになってる陽向をからかってやろと言う企みが表れている。 「いいよ、もう。明日わかるから……」 なんとか二人を宥めるように俺は声を出す。 響くのにぃ…… 「来るかな?」 裕太郎は心配そうな顔をした。 「来ないなら、ウチに二度とやって来ないだろ?それならそれでいいよ」 「ハルは甘いなあ……」 陽向や裕典は呆れた顔をするが、俺にはあのガキより今は、陽向や裕太郎の入試の方が大事だ。 「来ないなら来ないで、もう関わらなくても済むだろ?」 「俺は見たかったなあ……」 「息子かもしれねえからな。感動のご対面しろよ」 陽向にそう言われ、裕太郎は他人事のように笑っている裕典に『笑えるか!!』とキレそうになっていた。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6571人が本棚に入れています
本棚に追加