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「おじいちゃんっ!」
陽向は嬉しそうに玉木さんの手を握った。
「陽向、その……ここではなんだからさ……家に来てもらって。話はそこから…なっ」
「えっ……あ……う…ん…そうだよね。おじいちゃん、ハルもああ言ってるし家に来てよ」
「し……しかし……」
玉木さんはどうしたものかと俺を見る。
「どうぞ来てください。こんなとこじゃゆっくりお話もできませんから」
俺はそう言いながらも、心臓が不安で今にも潰れてしまいそうに感じていた。
「ハルちゃん……大丈夫?」
裕太郎がそっと俺に耳打ちする。
「あ…ああ……たぶん…」
「なんだか話が複雑になってきたから、俺もう帰るね」
「いや……迷惑じゃないなら、もう少し…居てくれないか?」
玉木さんの手を引き先を歩く陽向の背中を見ながら、手が鞄を何とか握っているだけで、力が入らず震えている。
「ハルちゃん、平気?」
「わかんねえ……」
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