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「しかし、いくら夏姫さんの息子になったとは言え、陽向とは血が繋がっていないあなたに、これ以上ご迷惑をお掛けするわけにはいきません」
「えっ……」
玉木さんは手をつき俺を見た。
「このような状況だと知ったからには、陽向を私どもで引き取らせてください」
「なっ……」
俺は恐れていた言葉を受け、落ち着きかけていた心臓がまた跳ね上がるのを感じた。
「お…じいちゃ……何を言って……」
「天道さんには天道さんの生き方がある。これ以上、それを邪魔しちゃいけない」
ズキリと心臓が鋭い針で突かれたような気がした。
「それに、おまえの弟だってきっと喜ぶだろう」
「お……弟っ!?」
俺も裕太郎も、ましてや当の陽向も驚きを隠せず、ただ玉木さんから目が離せず凝視したままだ。
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