○今日から善戦○

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「まだ高校生だったのに、大変な苦労をかけたはずです。けれどあの子は…陽向はあなたに、親に与えてもらえなかった愛情以上の愛情を与えてもらっていたんですね」 玉木さんは『ふう…』と呼吸を整えるように息を吐いた。 「それならなおさら、これ以上あなたに負担はかけられません。陽向を私どもで引き取ります」 「ま…待ってください」 玉木さんの言葉を聞き、俺の心臓が加速するのを感じた。 「それは陽向が決めてはいけませんか?」 バクバクと心臓が鳴る。 息が苦しい…… 「しかし、残るとなればまたあなたに……」 「確かに血の繋がりはありません。ですが、俺にとってはもう……陽向は大切なたった一人の家族なんです」 俺は玉木さんの前で両手をついた。 「俺にとって、陽向は迷惑な存在でも負担でもありません。家族なんです。だけど、陽向がそちらへ行きたいと言うのなら送り出します。ですが、残ると決めた時は、ここで暮らすことを許してくださいませんか?」 俺は畳に頭を叩きつける勢いで頭を下げた。 「お願い致します。陽向に決めさせてやってください」
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