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「ゆ…す……け……ゆう……け…」
裕典の顔を見た途端、俺は身体中が震え出すのを止められなくなった。
「お……おい、ハル!ハルっ!」
「ゆ……け……裕典っ……どう…しよう…どうしよう……」
震える手で必死に身体の震えを止めようと、自分を抱き締めるように腕を抱き力を入れるが、そんなくらいじゃ止まらない。
「ちょっと来い」
裕典は俺の身体を包むように肩を抱いて支え、近くに置いてあった自分の車の助手席に俺を乗せた。
「ハルを見かけたから……家まで行ってなくてよかった」
そう言いながら少し走らせ、近くにスーパーの駐車場に入り、隅っこの人気のない場所で停止した。
「んで……何があったよ?」
「陽向の……おじいさんが来た…」
「へ?嘘っ……いたの?いや、あれ?もしかして隠し子騒動のガキが、ガキに見えたじいちゃんか?」
裕典も混乱しているのか、言ってることが無茶苦茶だ。
「違う……本当におじいさんが……あの子は隠し子なんかじゃなく……陽向の弟だった……」
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