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「ううぅ~………マジかよ……急展開…過ぎだろ…」
俺の話を全て聞き、裕典はハンドルに体を預け唸る。
「陽向を引き取りたいって……俺の迷惑にならないように思ってくれてるみたい……」
「ふ~ん……全然迷惑じゃねえのになあ」
頭を掻きながら裕典は俺を見る。
「どうせ陽向は行かねえだろ?ハルも行かせたくないだろうし……意見は一致じゃね?なのになんで……」
「そうだよ……きっと陽向は行かない。だって、陽向は天道の人間だし……それに……それに、俺に惚れてる……だから行かないはずだ」
俺は震える自分の手を見つめる。
「それをわかったうえで、俺はあの人に陽向に決めさせてやってくれと頼んだんだ。心のどこかで打算的な考えが働いてた。俺は、俺を想ってくれている陽向の純粋な気持ちを……利用したんだ」
「ハル……」
「俺は甘えていたんだ。陽向の気持ちに……自分が一人になりたくないから……陽向と離れたくないから……離したくないから……」
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