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「なんで一つに絞る必要がある?」
裕典は真っ直ぐ俺の目を見た。
「そんなら、どっちも選べばいいじゃねえか」
「ど……ちも?」
「陽向は天道陽向だ!天道家の……長男か?まあ、なんだっていいや。天道陽向だ」
まだ理解できていない俺の肩にバンッと腕を振りおろす。
「そんでだな、玉木さん家の孫でもある。OK?んで、ア…アキ…アキなんとか君の兄貴だ。うん、OK!」
ゆっくり頷く俺に、ニコッと笑顔を見せる。
「基本はハルん家で、たまに玉木家に行けばいいんじゃね?俺っちが母さんの実家に行くようにさ♪」
「向こうは『引き取りたい』って言ってんだぞ?」
「そんじゃプッツリ縁を切っちまうワケ?」
黙っている俺に、裕典は『だ~か~らぁ~』ともう一度肩をバンッと叩く。
「○か×だけな。ハルは陽向を渡したくねえんだろ?」
「ま……○」
「一緒にいたいんだろ?」
「ま…○」
裕典は『よしよし』と俺の肩から手を離し、小さい子にするように俺の頭を撫でる。
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