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「ハルちゃん、激臭いのは陽向が嫌だってさ。あんまり臭わない程度に食べてあげてよ」
「あ?そりゃ嫌だろ?キスするのを躊躇するんじゃね?ハルへの独占欲ばっか超強くて束縛したいタイプで……心が超狭いから」
また裕典が余計なことを言う。
「俺はそんな心が狭くねえよ!」
「いやいや~……誰にも見せたくないから、本当は檻に閉じ込めておきたいんだって」
「……」
裕典の冗談に陽向は黙る。
「急に黙るなよ」
「いや、その手があったかと……裕典にしては実に気の利いた的を得た意見だ」
車内の空気が一瞬で変わる。
「じょ…冗談だよな?」
裕典の震える声に『どうかな?』と陽向の返答が恐い。
「おまえが余計なことを言うからだ!朝になってみろ、俺は起きたらきっと檻の中なんだぁぁ」
「ハルちゃん……落ち着いて。その時は兄貴に世話させるから」
「ゆ…裕太郎までグルに……」
「俺はずっと陽向の味方だからね。諦めてよ」
後部座席の二人は楽しそうに笑い始めた。
それを聞いて、前の俺達二人も横目で目を合わせてから吹き出した。
やっと、いつもの俺達に戻ったかな?
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