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結局―――
本当に焼き肉になり、太っ腹な裕典は、盛り合わせやらなんだかんだと頼んでいく。
「んで……どうよ、陽向?久々の再会は……」
だからって、肉焼きながらいきなりその質問はないだろ?
「べつに……」
「おじいさんだったんだろ?良かったじゃねえか」
「良かったかどうかなんて……わかんねえ」
下唇をギュッと噛む陽向を見て、裕太郎は眉を寄せてからキッと裕典を睨む。
「まあ、今から話すのは俺っちの一人言だから聞き流せよ」
「ああ……」
「おそらく……この地球上で、誰よりも陽向のことを考えて、誰よりも自分のことより陽向のことを大切に思っているのは……ハルだろうな」
陽向は下唇を噛んでいた口元をゆるめる。
「血の繋がりに怯えてるとこあるけど、DHAとか……難しいことわかんねえけど、おじいさんも陽向のことを思ってるだろうけど、ハルには負けるんじゃねえか?と俺っちは思うわけよ」
「裕典……」
「それでいいんじゃねえか?」
裕典はニカッとトング片手に笑う。
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