6561人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
「実際、かなり重い話だよな。実の祖父母がいることは、陽向だって忘れてなかっただろうけど……弟の存在がここにきてわかるって、キツそうだな」
「ああ。父親が違うってことにもショックだっただろうし、おじいさん達ですら父親が誰かもわからないみたいなんだ。だからよけい、反発して……」
「自分の母親がだもんな。陽向のお父さんのように、しっかりした人ならいいけど、陽向にまで暴力を振るうような最低な男の子かもと思ったら、陽向も喜べないわなあ」
最後まで焼いていた網の上ですっかり燻ってしまっている肉を器へと取り、『炭になってるな』と眺めている。
「だけどさ、陽都ってあの子……陽向の弟なんだよな。思い出したら、ちょこちょこ仕草とか似てたんだわ。会ったこともなかったはずなのに、血の繋がりってすげえよな……」
陽向は日に日に亡くなった義兄さんに似てきてるが、どこか違う部分もある。
どこか違う部分が、実の母親から受け継いでる部分なのかもしれない。
そりゃあ、親子だからな。
陽向と陽都くんが似ているところがあっても不思議じゃない。
最初のコメントを投稿しよう!