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「ハルが陽向に似てきてるんだ。なんつうか……小難しいところとか、理屈っぽいとことか。昔はもっとabout適当男だったのに。可愛い愛犬にメロメロにされちまってまあ……」
「“可愛い”けど“メロメロ”とは言ってねえしっ!!」
口を尖らせる俺を『はいはい♪』と柳を殴るかのように軽くかわす。
「なあ、裕典……この土曜は仕事か?」
「今週は……ちょっと待って……うん、休みだ。何で?」
裕典は携帯のカレンダーを見て頷いてから首を傾げる。
「頼みが…ある……いいか?」
それでも裕典を見ない俺を見て、裕典は『へえ…』と言ってから座り直す。
「……ハルの頼みなら聞きますよ。大概のことならな」
「じゃあどうだろ?今回はダメだって言われちゃうかな?」
冗談っぽく言う俺の頭に手をのせる
「俺は言わねえよ。昔からハルのすることに“ダメ”と言ったこと、ほとんどねえだろ?」
「そうだったな……んじゃ悪いけど頼むわ」
「あいよ。了解……たださ、ハル……無理するなよ。一人で抱え込んだりすることねえからな。しっかり陽向と話をしろよ。“メロメロ”なんだから」
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