○今日から善戦○

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震えている陽向に『ホントにバカだな』と笑う。 「でもさ義兄さん、姉ちゃん。まずいことに……俺は一度、玉木家に行って、おじいさんやおばあさん、弟とゆっくり会ってもいいと思ってるんだ」 「やっぱり……やっぱり、ハルは……」 「そのうえで、陽向が決めたらいいかなって……玉木の家に行きたいなら行けばいいし、いたいならここにいればいい。陽向が考えて決めればいい」 「そんなの聞かなくてもわかってるだろ!俺がどこを選ぶかなんて……」 陽向は俺の肩を掴む。 「わかってる……わかってるから、恐かった……」 「何を?何を恐がる必要があるんだよ?俺はハルさえいればいいっていつも言ってるだろ?」 『俺はハルと離れない!!』と俺を強く抱き締める。 「裕典に言われたんだ。『基本は家で、たまに玉木家に行けばいいんじゃね?』って。それも案かなあって」 「俺は玉木の家よりここがいいんだ!ハルの隣が……」 「だけど、あっちには実のおじいさんやおばあさんだっている。きっと……こんなに格好よくなった孫に会いたいに決まってる……俺だって、自慢したい」
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