○今日から前進○

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『食べてってよ』と言ったけど、寺河さんと裕次郎兄貴はこっちの実家(裕典の家)へ行くと行ってしまった。 「ばあちゃんが義兄さんのこと気に入ってんだよ」 裕典が肉を焼きながら言った。 「おかげでじいちゃんがヤキモチ焼いて拗ねてるんだよ。『僕はずっとユリちゃんだけなのにぃ~』って、浮気を心配してる」 「目に浮かぶよ……」 ばあちゃんの尻を追い『ユリちゃ~ん』と幸せそうにいつも笑顔だったからな。 「70過ぎても、いつまでもばあちゃん大好き……ったく、孫すら目のやり場に困るっつうの」 「そんな過激なイチャイチャなのか?」 70過ぎて、どんなんだよ? 体力あるなあ。 「んなわけねえだろ?デレッデレで見ちゃいられねえんだよ……じいちゃんはばあちゃん無しじゃエラ呼吸しかねないな」 「え…エラ!?」 「ああ……なんかそれわかる気がする。肺呼吸も忘れてできなくなってそう」 珍しく裕太郎も呆れた顔で頷く。
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