○今日から前進○

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「だから、ばあちゃんはしょっちゅう『裕作より先に死ねない』って言ってる。だけど……」 立ち上がり、陽都くんの器に焼けた肉を入れながら裕太郎は『ふっ…』と笑った。 「なんだかんだ言ったって、本当はばあちゃんもじいちゃんがいないとダメなんだよ。ばあちゃんも負けないくらい、じいちゃんが大好きだからさ。お互い初恋同士だもんね」 裕太郎の言ったことに和みそうになった空気も、 「ツマミ食いなんて発想がないとこがまた、俺とそっくりだね」 「どこがだよっ!!嘘をつくなっ!!」 裕典らしく微妙な空気に変えちまった。 「それはそうと、アッキーに彼女とかいないの?可愛くてモテそうなのに……」 そして、さらに人の話は聞かず、忙しく空気をかき回し、ついには陽都くんまで飛び火した。 「えっ……えと…」 陽都くんは困ったように目を動かす。 「何度か…その…何人かに言われたけど…好きな子がいなくて……でも、だからって付き合うのはおかしいから……断っ……た」 根が真面目な性格だから、“適当”や“とりあえず”なんて発想がないんだろうな。 性格まで陽向に似てるのな。
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