○今日から前進○

83/95
前へ
/1932ページ
次へ
だけど俺が思ってるようなことは陽向も思ってるようで、強張った顔は今にも一言言ってやろうって顔をしていた。 「いいなあ、陽向は。こんなに可愛いイトコが二人もいてさ。ねえねえ、うちの弟まで知ってくれてたんだ。ありがとね♪」 なのに、そんな陽向を遮るように、裕典がイケメンスマイルでぶちかました。 「えっ……そんなあ……ねえ?」 「だよね……」 彼女達はさらに顔を赤らめ、『ふふふ……』と顔を見合わせる。 陽向はムッとした顔で裕典を睨んだ。 だが、裕典は小さく顔を左右に振り、さらに彼女達を持ち上げる。 忌々しそうに奥歯を噛み締める陽向の背を、裕太郎が軽くポンと叩いた。 裕太郎は一瞬苦笑してから、裕典に話を合わせ始めた。 「やはり、いいお友達ですね……」 そんな様子を見て、玉木さんが眉を寄せて言った。 「きっと、陽都の為なんでしょうね……あの子に少しでもあの二人が味方をして、優しく接してくれるように……」 「たぶん……そうだと思います」
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6589人が本棚に入れています
本棚に追加