6589人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど俺が思ってるようなことは陽向も思ってるようで、強張った顔は今にも一言言ってやろうって顔をしていた。
「いいなあ、陽向は。こんなに可愛いイトコが二人もいてさ。ねえねえ、うちの弟まで知ってくれてたんだ。ありがとね♪」
なのに、そんな陽向を遮るように、裕典がイケメンスマイルでぶちかました。
「えっ……そんなあ……ねえ?」
「だよね……」
彼女達はさらに顔を赤らめ、『ふふふ……』と顔を見合わせる。
陽向はムッとした顔で裕典を睨んだ。
だが、裕典は小さく顔を左右に振り、さらに彼女達を持ち上げる。
忌々しそうに奥歯を噛み締める陽向の背を、裕太郎が軽くポンと叩いた。
裕太郎は一瞬苦笑してから、裕典に話を合わせ始めた。
「やはり、いいお友達ですね……」
そんな様子を見て、玉木さんが眉を寄せて言った。
「きっと、陽都の為なんでしょうね……あの子に少しでもあの二人が味方をして、優しく接してくれるように……」
「たぶん……そうだと思います」
最初のコメントを投稿しよう!