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「あなた達、少しはこの方達のお気持ちを汲みなさいよ……」
玉木さんの奥さん……陽向たちみんなのおばあさんが静かにたしなめるように言った。
「は?何をよ?」
彼女達はいい気分に水をさされ、不機嫌そうに首を傾げる。
「あなた達はこれから、誰かと出会い恋をし、結婚を意識するようになる。その時、今のままのあなた達じゃ……相手は不安を覚えるわ」
「はぁ~?意味わかんないんだけど?」
二人とも顔を見合わせて肩をすくめ、おばあさんをバカにするかのように鼻で笑った。
「つまりね……人の痛みをわかろうとしないってこと」
裕典がニコッと笑って言った。
「他人の痛みをわからない人間は、どんなに見てくれがよくても……魅力がないんだよね、人間としての」
「なっ……」
「ハリボテなんだよ。これは君達よりちょっとは人生経験が豊富なオニイサンからの警告。顔は悪くないんだからさ、磨くのは女の魅力も大事だけど、人としての魅力……」
「なんですってぇ!?」
彼女達は顔を真っ赤にする。
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