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「魅力と色気を間違わないようにね。今の君達じゃ、高校時代のオニイサンも相手をするのはゴメンだよぉ~。ま、一回付き合っても、うんざりしてバイバイ~……かな」
彼女達は目を吊り上げ、裕典に何か言おうとした。
「それに陽向は……とても家族思いだからさ、気を引きたいんなら……おばあさんに対してあんな態度じゃダメだわ」
ギリギリと悔しそうに彼女達は裕典を睨む。
「悔しかったら、俺っちが泣いて悔しがるような、出逢った女性の中で過去最高クラスのイイオンナになってみな」
『カカカカッ…』と腰に手をあて高笑いする。
「兄貴が付き合ってきた女性って…軽く三桁に乗るだろうが!下手したら500人はいってるからね……無茶苦茶だろ?」
裕太郎は呆れながら彼女達にそう言うと、『でも、言ってること間違ってないから』と涼しげな笑顔を見せた。
「陽向は……知ってると思うけど、両親がいない。義理の叔父であるハルちゃんと二人だけの家庭で十歳から大きくなってきた。俺達は友達として付き合ってきたから、二人がどれだけ家族思いか知ってる」
静かに、でも二人に諭すように裕太郎は続けた。
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