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「陽向は亡くなった両親に対しても、ずっと何年も生前と変わらない愛情を持っている。陽向とハルちゃんは、困った時は相談し、嬉しい時は報告して……俺はいつも素敵だと、お手本だと思っている。自分も、家族を大切にしないとって、いつも教えてもらえる」
照れ臭そうな陽向を見て、裕太郎は口角を柔らかく上げた。
陽向もそんな裕太郎を見て、さっきまで不機嫌だったのに、穏やかな表情になりつつある。
「今は『初対面のくせになんなの!?』って思ってると思う。だけど落ち着いたら、俺や兄貴が言ったことをゆっくり考えて欲しい。そして、どうしていくべきかを……君達は俺の世界一の親友の従姉妹なんだ。きっと陽向同様に頭がいいと思うから」
いいこと言ってやってくれたな。
そして最後に、きっちり“プレッシャー”と言うべき毒針を刺したよ。
『陽向同様に……』とか『頭がいいと思うから』とか……
彼女達は彼女達の間で話題になってた陽向や裕太郎の前で、これ以上見苦しい態度をとれば『バカだな』って思われかねないと、自分達にブレーキを掛けちゃって、しばらくは普段の調子を出せないだろう。
やっぱり裕太郎だな。
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