○今日から前進○

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一人ずつに抱きつき、目を今にも溢れそうなほど潤ませた陽都くんと別れ、俺達は一応みんなに見送られ玉木家を出た。 「はあ……我慢できん…」 裕典はしばらく行った先のコンビニに寄り、『トイレ行ってくる』と外へ出ようとした。 「あ、俺も……」 俺もそのまま外へ出る。 「おまえらは?」 「ん……後で…」 中を覗いた裕典に、裕太郎がチラリと目を横に動かす。 「あいよ。ゆっくりしてくるわ」 裕典は、立ち止まっている俺の背中を押し店内へ入った。 「悪かったな……陽向の様子を見て止まってくれたんだろ?」 「まあな……やっぱり育つ環境にもよるのかなあ。陽向は俺っちには口が悪いし、人を見て接してるけど、愛情があるからさ。だから、俺っちも陽向を好きになれるし、可愛くも思うわけよ」 雑誌の棚からなんとなく一冊一冊持ち上げ表紙を見ながら、裕典は駐車場に止めた車を見る。 「体ばっかり大きくなっても、中身が子どもみたいに純粋なんだよな……だから傷つきやすい……」
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