○今日から前進○

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そう、プライドは世界レベルに高いくせに寂しがり屋で、普段他人のことは平気だけど、自分にとって大切な人と認めたら…… 「口には出さないけど、家族ってもんに対しても人一倍憧れてるからさ、裕典や裕太郎が言ってくれなきゃ、陽向がブチギレてたかもな」 「ああいう子達で普通なのかな?俺っちの家であんなだったら、ばあちゃんが容赦しねえぞ。崇め奉れとは言わねえけど、あの娘達のようなのじゃ、片手で丸裸にされて外に放り出されるだけじゃすまねえ」 ブルルッと裕典は体を震わせる。 「アッキーもあの家じゃ苦労してるはずなのに、心が摺れてないんだわ。その辺りは、陽向とアッキーはよく似てる」 「陽向にすれば、ここんとこ一緒に暮らしてた分、前より情がわいて陽都くんが可愛くてたまんねえだろ。おじいさんやおばあさんに対しても、陽都くんに対しても、大事にしてやって欲しいって心から思ってるはずなんだ……」 「彼女達はあんまり期待はできそうにないけど……少しだけ期待しておく?」 裕典は肩をすくめる。
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