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「俺っち、昔から女の子と話をする時、結構話しながらその子の様子見てたんだわ。で、どっかにあんのよ、良いとこがさ。だから見つかったら付き合ってたの」
「ほぼ100%に近かっただろうが……」
「まあね。だけどその分、他人を見る目が普通のイケメンよりは育ったと思う。でさ、俺っちの自分自慢じゃなく何が言いたいかと言うと……」
雑誌をストンと棚に戻し、裕典はもう一度車の方を見た。
二人はまだ店内に入ってきそうにない。
「彼女達、根は悪い娘達じゃないんだよ。ただ、思考っての?育ってきた中で間違ったまんまきてる。だから考え方がズレてる」
「んなの見ればわかるって」
「きっとさ、親から他人への不満や不平ばっかり聞いてたのかなって。自分達のせいじゃなく、まわりが悪いって思考とか、自分達は何をしても正しいとか……」
『昔は時々いたんだけど、最近多いよ』とタメ息を吐く。
確かに最近は、そう言う人間が増えた。
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