○今日から前進○

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「頼ってくれることに快感を覚えて、それが常々モチベーションに繋がってるんだろ?」 「か…快感は違うし……モチベーションにって言われても……でも、当たらずとも遠からず……かな」 もしかすると、俺自身が年齢とともに成長しているつもりでいるが、本当は成長しきれないでいるのだろうか? いや、成長と言うより、俺の中で何かがあの姉ちゃん達が亡くなった時から止まっているのかもしれない。 俺も早く、少しは変わらないといけない。 「悩まなくてもいいじゃないの~!今のとこ、ハルが抱かせてやらない限り、陽向は大人になれねえで童貞くんのまんまなんだから♪ああ~、可哀想に♪」 「それっ、意味が違うしっ!!」 歯を剥き出しにする俺の肩を叩き、堪えられないのか高笑いしている。 そんな裕典を『ついに暑さにやられたのか?』と陽向は裕太郎に小声で訊ねる。 『普段と変わらねえよ?100度でもあんな調子だろ?』と裕太郎も呆れている。 まさか俺達があんな話してて、俺がいじけてるなんて思わねえよな。
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