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陽都くんが玉木家に戻り、陽向はやはりぽっかりと穴が開いたようで寂しそうにしていた。
ご飯を食べていても、座っていた席を見つめ、
「ハル……いないといないで、心配だし寂しいな」
ポツリとそう言って目を伏せた。
その次の日のモーニンク・チュウでは、陽向がキスをするより珍しく選んだこと……
それはまさかの“甘えること”だった。
自覚があるのかないのか知らないが、キスで俺を起こした後、あのキス魔がどういう訳かやたらと甘えてきたのだ。
何度も俺の名前を呼び、子どもの頃のように俺の肩に頬を擦り寄せ、俺の手を自分の頭に『のせろ』とブーブー言う。
いつもの俺様何様陽向様の甘えっぷりよりグレードアップしている。
そんなに抱き締めて欲しけりゃ、素直にそう言やあいいのに。
妙なとこで意地張って、よくわかんねえ~。
「おい……夜中に汗かいたから、きっと汗くせえぞ」
「いいの。俺は昔からこうしてると、すげえ落ち着いてくるから……もっと頭を撫でて…」
ったく、俺よりでかい図体しながら、『頭を撫でて…』って。
変なとこで可愛いから……ったく。
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