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夕食時―――
「まだ膨れてんのかよ?」
「………」
「いつまでも膨れてるなら、飯食うな!水でも飲んで一発ヌイて寝ろ!」
無言の陽向はキッと俺を睨む。
「危うく、4つに割れるかもしんなかったんだからな!」
「割れてねえんだから騒ぐなよ」
美味しくできたお鍋の出汁に『我ながらうめ~』と喜んでいる俺を悔しそうに睨みながら、黙ってガツガツ掻きこむ。
「はあ…ガキだね~」
「ガキとか言うな!ってか、ハルこそ最近余裕あり過ぎだろ!」
「俺はなんてったって、“経験”が違いますからね」
「ムカツク~!なんでこんなハルが好きになったのか、過去の俺に聞いてみたい!」
笑う俺に諦めたように
「それでも好きって…どんだけバカだろ…」
と小さく呟いている。
陽向、わかってねえの。
そう言うとこ、可愛いんじゃねえか。
言わねえけどさ。
俺だって、余裕出さねえと、いつまでもアワアワ言ってらんねえんだよ。
性格的に、振り回されるのは苦手なんだからさ。
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