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「なあ、裕太郎って最近どうよ?」
「『どうよ?』と聞くってことは、マジで来たのか?」
陽向は目をパチパチさせてから『そっか…』と目を伏せる。
「裕太郎、最近悩んでるみたいでさ。学校では“普通の裕太郎”の演技してるからみんなわかんねえけど、俺にはわかるから…聞いてみた」
「アイツ、律儀で真面目だからな。まわりに気づかせねえようにしてそうだな」
「ああ、だけと…俺にはさ…って言うより、ハルと裕典となエロバカ低レベル類人猿繋がりと違って、俺達はかなり高い位置で繋がってるワケよ。OK?」
箸を指揮者のタクトのごとく振って『どうよ?』って顔で俺を見る。
「陽向…本当に俺に惚れてる?」
「なんで今になって疑う?俺はずーっとハルに一筋。スゲーだろ?」
すごいとは思うよ…実際。
嬉しくも思う。
だから応えてやれてないことが、本当は申し訳ない。
昔みたいに考えなしの勢いで、誰とでも体だけチャッチャとくっつくのは簡単だと思う。
簡単だけど…本当に、それが二人にとっていいことなのかってな。
俺の中では、まだまだ何かが俺をストップさせるんだ。
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