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大晦日―――
今日の陽向は落ち着きがなく、何度も時計を確認しては残念がっている。
「まだまだ時間あるだろ?」
「そう?」
掃除している俺を探しては『なあ、何時に着くって俺言ったっけ?』だの『駅まで何分かかったっけ?』なんて調子だ……
「暇ならしめ縄でもつけて……」
「暇じゃねえよ。陽都を迎えに行くんだ」
「大丈夫だって……まだ6時間はあるから……」
今朝は、陽都くんが来てくれるから、いつもの時間より30分早く起こしてくれと頼んだのは俺だ。
だが、うんとさらに早く3時半頃になって『しまった!寝過ごした』って時計を見間違えて起こしに来た。
外は真っ暗で、糸が張り詰めたように静かだって言うのに、そんなところには全く気づいていない。
さらに4時頃には『何時に起こせばいいんだったっけ?』とやって来て……
もう、いつもの陽向らしくない落ち着きのなさで、早すぎるけど『もう起きてるなら、あと30分だけ寝かせてくれ……』と頼んだ。
たぶん、陽向は眠れないだろうからさ。
それから掃除したり、洗濯したり……
まだ9時にもなってないからな。
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