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義兄さんと姉ちゃんの命日がやってきた。
午前中に陽向と墓参りを済ませ、家に帰り仏壇の前に座っている。
「早いなあ。もう何年になるんだろ…」
火をつけた線香の火を軽く手で払って消し、陽向は線香たてにたてた。
「陽向が小学生の生意気なガキだったから…」
「自分だってエロバカ高校生だっただろ?発情期の猿もビックリな下半身だったくせに」
俺をチラリと振り返ってからプイッと顔を前に向け、般若心経を唱えはじめた。
俺も手を合わせ横に置いた笑顔の義兄さんと姉ちゃんを見る。
変わらない笑顔…
移り行く季節…
そして俺達…
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